第83章 自分に対してもこんなに残酷なんて

「あの横暴な井上颯人を、たった一言で大人しくさせちゃうなんて」

福田祐衣は嬉しそうに小さくガッツポーズをし、瞳をきらきらと輝かせた。

柔らかな月光を浴びたその瞳は、まるで星屑を散りばめたようだ。

宮本陽叶は指先を擦り合わせ、思わずその頬に触れたくなる衝動を理性で抑え込んだ。

彼は珍しく機嫌よさそうに唇の端を上げた。

「さっき、山田悠子をすぐに許したから、君はずいぶんと寛大な心の持ち主かと思ったよ」

それを聞くや否や、福田祐衣はすぐに鼻にしわを寄せた。不快なにおいを嗅いだ子狐のような顔だ。

「まさか。私、誰よりも執念深いんだから!」

「さっき山田悠子を見逃したのは、あそこで追及...

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